「やりたいことがない人生」は、誰かに投資すれば「流動性の高い価値」かも?

今までの記事の通り、「この世には、何も存在しない。ただ全てに完全さが流れているだけだ」という結論に達したのですが、やはり

「人生の目的」「一度きりの人生」

といった文言が、頭の中をグルグルです。

グルグル…モヤモヤ。

なんとな〜く、「人生を充実させないといけない」気がする。死ぬときに、「充実させなかったこと」を後悔したら、どうしよう。でも、そんなことは幻想で、どうでもいいとも思う。

で、ぼんやりと考えていく中で、我ながらいい例えを思い付けたので、記事にまとめます。

人生は夢の国

ええ、某・魔法の国をイメージしてもらってOKです。

思うに、「全てにかかる真理」と「人生」の関係は、「日常生活(現実世界)」と「夢の国」の関係に似ている。

我々は「大いなる存在」の無数の子供のひとつとして、世界と自分との境界線をもらって、今この世に出現しています。「無」から、「人間としての生命」という場所に、招待されたのです。それで、ここは夢の国なのです。そこらには、様々なアトラクションがあります。お土産屋さんもあります。

…ですが、この場所、退園するときのルールが厳しい。

「いつ退園するかはランダム」「退園したら記憶と持ち物は消去され、再入園が永遠に不可」

いつ死ぬかわからなくて、死んだら何も持っていけないということです。

アトラクションは、「地位」とか「経済力」「名声」みたいなスペックです。並ぶことで、つまり努力することで、アトラクションに乗って楽しむことができる。そして、その体験談を周りの人に伝えられる。

お土産屋さんは、「家」「車」「美貌」などの所有物ですね。「お金」という媒体を通して、経済力を所有物に変換します。

また、園内ではさまざまなステージやパレード(芸術や流行)が催されています。スキマ的な場所でも、池があったりカモがいたりしますね。

さて、この場所で、どう過ごすか?どう過ごしたいのか?

フルコンの像

アトラクションをフルコンプリートした人は、銅像が建てられます。偉人ですね。フルコンまでしなくても、ある程度乗って、比較記事でも書いたら、売れっ子ブロガーぐらいにはなります。有名人です。

偉人や有名人は、アトラクションからの眺めとか、効率のいい並び方とかについて、いろいろ言います。こいつに着いていけば、アトラクションにいっぱい乗れるということで、そういう人は人気者にもなります。それで、園内には「すごい。自分もたくさんアトラクションに乗りたい」という雰囲気ができます。

ついでに、格差とか劣等感というものもできます。

夢の国なんですけどね。

マイペースな人たち

そんな園内で、列に並ばないで過ごす人たちがいます。

ちょっとインタビューしてみましょう。

Q. こんにちは。なぜアトラクションに並ばないのですか?

A. 残念だけど、私は脚が悪いから、長い時間は並べないんだよ。

他にも、何人か聞いてみます。

B. 私は絶対にパレードの乗り物を作りたいんだ。アトラクションなんかどうでもいい。

C. 退園したら全部消されちゃうんでしょ。あんまり興味がわかないよ。

現実世界に置き換えると、

Aさんは「努力できる状態・環境にない」

Bさんは「富や名声よりも、他にやりたいことがある」

Cさんは「やりたいことが何もない」

とりあえずアトラクションに並んでいる人は「なんとなく成功したらいいかも」

ファストパスを取る人は「確実に成功するぞ」、ですね。

みなさんは、どのタイプでしょうか。

人材としての流動性

私は「とりあえず並んでいるCタイプ」です。人生でやりたいことは、今のところ、特にありません。こうやって自発的にブログやってるし、絵も描いてますが、「それで、最終的に為したいこと」は、これといってありません。「継続していることはあるが、大きな目標はない」という感じです。今は夢の国にいるだけで、まあまあ満足しているのです。

クズっぽい感じですが、そうやって印象だけですぐ結論を出すのは良くないゾ。「特にやりたいことがない」というのは、こだわりがない、言い換えると「流動性が高い」ということです。その流動性の高い労働力が市場の大半を占めている、これが今日の経済社会ですね。Bタイプやファストパス取りの社長が、なんとなく並ぶ人々やCタイプを動かして、世界は回っています。

やりたいことがないのにフリーランスで生きるのは大変なだけですから、ある意味win-winの関係ですね。

己 “を” 投資

で、「特にやりたいことがなく、流されている」私のような人が取りうる、最善の選択肢は、なんでしょうか。

それはA、Bタイプをサポートすることです。

A、Bタイプには、熱意があります。熱意はあるんですが、金とか人手とか精神的な支えとか、いろいろ足りない場合が多い。一人じゃ難しい。そこでCタイプが支えてあげると、彼らは助かるし、Cタイプは引っ張っていってもらえるしで、これもwin-winの関係ですね。

「ファストパス取りの社長」をサポートしてもいいんですが、その場合は目的が「社長の成功」と「金」になります。正直しょうもないです。ちなみに「とにかく成功して稼いで、その金は全額ユニセフに募金!」というタイプの社長であれば、Bタイプ扱いしてもいいと思います。

で、金のためだけの社長よりは、目標を持ってるAタイプをサポートした方が気持ちがいい。その場合は「AタイプのQOLを引き上げる」などが目的になります。Bタイプを支えるなら、目的が「世界を変える」とかになるわけです。AとBの要素を両方持ってるドラマのヒーロータイプもいるでしょう。

まあ、サポートしているCタイプ自体は「世界を変えるため」というよりは「手伝ったら喜んでもらえた」という感じの動機になると思いますが。

自分が死んだ後も世界は続くっぽいので、だったら子供達がより良い環境で生きるためのコンテンツに力を貸す方が有益です。ぼーっとしててもいいんですが、どうせ暇なんだから、パレードの乗り物作りを手伝ったりする方が、手伝われたBタイプも、将来そのパレードを見た人も喜んでくれるのです。

そういうわけで、選べるんであればファスト社長よりはAタイプ、Bタイプの手助けをする方が、「よかったな」と思えるわけです。「自分の人生でやりたいこと」が特になくても、世の中や他人に貢献することは十分できるのです。むしろ、意志が無い方が融通が利くので、役に立てる確率だけでいったら高いです。

自分自身を媒体にした投資みたいなものです。

株や国債を買うときは「この会社、これから上がっていくだろう」という理由で買うこともありますが(社長をサポート)、「新興国に頑張ってほしい」「若者を応援したい」とか(Aタイプを助ける)、「考えに共感できる」「善いことをしている」という理由(Bタイプをサポート)で投資することもあるでしょう。

私含めたCタイプの人は、自分を「流動性の高い価値」だと思って、応援したい人への投資として動いてみるのも、一つの手かと思います。その中で、やっと「自分のやりたいこと」ができたよー、ということなら、Cタイプの気持ちを知ってるというアドバンテージを持って、今度はBタイプとして頑張っていきましょう。