哲学するゾンビ

駅のホームで風を受け、髪がなびく。

風という外的要因によって私の髪は揺さぶられた。この髪は、私の頭部の皮膚から生え出ているタンパク質の束だ。

私の視界は狭く、前髪の一部しか収まらない。頭を揺らすと、髪も揺れる。

重力に従って、垂れ下がっている… そのような概念が、ありありと感じとれる瞬間であった。

自分というものが「ヒトという物体」であると気付き、では私は死体とそう大きくは変わらないのだと、生々しく味わったのである。