クリエイティビティと幸福は両立できるか

3年前にも同じことを書いていますが、最近またこの件について考えています。

クリエイティビティとは何か

「狂気」だと思います。狂気はやや極端な言い方で、もっとまろやかに言えば「こだわり」「想像力」あたりです。

私の経験上、狂気・こだわり・想像力は、苦しい時に広がります。一番わかりやすいのは失恋でしょう。苦しみの渦中にあって、執着心や妄想を拡大させ、何かを作り表現することでカタルシスを得るのです。

幸福とは何か

「穏やかさ・安らぎ」だと思います。所有物の豪華さや名声、権力などのサイズは関係なく、ただ心が安らいでいるか否かの問題だと思います。

「幸福は権力や財力で決まる」と考えている方は、クリエイティビティと幸福が両立します。苦しんで、評価されて、金を稼いで「幸せ」になればいいと思います。

執着・妄想は安らぎの対極

自ら執着心を煽り、妄想を繰り広げること、これは安らぎと対極の行動です。

究極の安らぎは、「本当は世界や自分はいないのだ」「全てに“意味”や“価値”はないのだ」と実感することでやってくると思いますが、執着も妄想も「意味や価値を創造すること」ですので、安らぎの反対側に向かう行為です。

退屈

「幸福でありたい」だけであれば、ずっと安らぎの中にいればいいはずです。瞑想をして、穏やかにしていればいい。

しかし、退屈なのです。ただ穏やかに生きているだけでは退屈で、別に「何かをする必要」はないのだけど、何かを創りたいと感じています。

何かを作るとき、ただ手癖で作るのでは退屈で、楽しく作るにはやはりクリエイティビティ=狂気が、少しでもいいので必要だと思っています。

クリエイター

ただ幸福なだけでは退屈してしまう、私のような人間は、クリエイター気質なのだと思います。10代の感覚を忘れられない人。

「クリエイティビティと幸福は両立できるか」、これは私にとって非常に重要なテーマです。人生をかけて立証・実験する甲斐のあるテーマだとも思います。