フィンランドの死神・チルボドことChildren Of Bodomの名曲紹介記事です。
解説文つきで長いので、5曲ずつ前・中・後編に分けます。大まかには、前編=必聴の代表曲 / 中編=こんな曲もあるよ / 後編=隠れた名曲、的な内容です。順番に読むのがオススメです。
では、さっそく見ていきましょう!
Needled 24/7
何はともあれ、コレである。おそらく最も有名で、ライブでも一番盛り上がる、最強のキラーチューン。これが「微妙」なら、チルボドとは縁が薄そうだ。
ノコギリを振り回すような衝撃的イントロ、そこへ美麗メロディを畳み掛けていく。最初の「デデン」は、ライブ会場を狂気に呑みこむ合図なのだ。
個人的に好きなのは、中盤のキラめくユニゾン(ギターとキーボードが一緒に同じメロディを奏でるパート)→歌うようなギターソロ。
それから、CDとライブでキーボードの音色が違う。ライブ版のユニゾンの方が優しげなのだ。それを弾くキーボーディストのヤンネは、来日の際カタコトの日本語で挨拶してくれる。癒し効果倍増だ。
Downfall
幻想感と、メンバーのぎこちない動きが好きなMV。褒めてるのか?
リーダー兼ギター・ボーカルのアレキシが、19歳頃に書いた曲。この危うい悲哀は、若さの象徴とも言える。
先のNeedled 24/7は、憎い相手をブッ◯しそうな攻撃性が際立っているが、Downfallで◯す対象は違うのだろう。
チルボドの曲がクラシックから影響を受けていることがよく分かる曲。特に1st・2ndアルバムはクラシック要素が強い。
ライブでは最後に演奏されることが多い。「終わった…」感があり、非の打ち所のないトリ曲なのだが、近年はセットリストを試行錯誤しているようで、最後にはならない事も。
Trashed, Lost & Strungout
チルボドの曲は「俺は最低だ…◯にたい」、「ムカつく!◯す!」、「辛いけど俺たちは生きる」に大別される。メタルバンドとはそういう存在なのだろう。
このMVは演奏シーンをかっこよく撮れており、評判が良い。
ひとつ特徴を挙げるなら、所々に入る「ピーーッ!」という音。ギター奏法で「ピッキングハーモニクス」というらしく、アレキシはこれが好きなようで他の曲にも出てくる。
人気曲だがライブで演奏された事は少なく、「難度が高くライブは厳しいのでは」等と囁かれていたが、最近ようやくセトリに入った。
若い頃は常に飲酒していたアレキシだが、近年はあまり飲まないそうだ。こうして演奏が安定したことも、セトリ入りの理由かもしれない。
Lake Bodom
1stアルバムに入っており、現在でもライブで演奏される人気曲だ。クラシック要素の強い1stの中でも、最もキャッチーなメロディを擁している。
というのも、アレキシは幼少時にヴァイオリンを学んでいた。それでクラシックの基礎が身についたようで、メタルバンドでありながら独特のクラシック感が漂うのはその影響と思われる。
この頃の彼らは、現在彼らが分類されている「メロディック・デスメタル」というよりも「ネオクラシカル・ブラックメタル」と評されていた。日本版の帯の煽り文は「様式美ブラックメタル」。確かに、2ndまではメロデスよりもネオクラブラックの方がしっくり来る曲調だ。
彼らがレーベル契約を取り、このアルバムを世に放った1997年は、北欧中心のメロデスブーム後半戦。そんな中提示されたのは、斬新なネオクラ・ブラックメタル。彼らはその後の3rd、4thで「メロデスバンド」という認知に切り替わったのだ。
Hate Me!
この曲は、シングル版とアルバム版がある。これはアルバム版。何事もそうだが、マニアは僅かなアレンジや映像特典を求め同曲のシングルやEPを集める。このバンドにもその楽しみはある。
3rdアルバムの曲で、キーボードから光の粒が束となって押し寄せる。特徴的なイントロは一回聞いたら忘れない。
彼らの3rdは演奏・作曲共に成長を感じる、テクニカルな作品だ。その一方で、ロック要素をこの曲で取り入れたりと「メジャーっぽさ」もあり、それまでの作品より更に取っつきやすいサウンドとなっている。
この曲もライブに頻出だ。セトリでは「2つめのヤマ」という位置付けで、中盤に配されやすい。たまに2曲目に置かれ、客は過労に導かれ、それだけ重要でパワフルな、よい力点なのだろう。
前編はこんな感じで。中編へつづく。
トップ画像の元イラスト紹介
懐かしい!いろいろな描き方を試してますな。アレキシ&ヤンネはじめとしたチルボドの「Booze Brothers」が警察に追われてるシーンです(´∀` )