短所は直さず長所で補う

私は運動オンチです。どんなに本気で走ってもめちゃくちゃ遅くて、痩せているのに学年ワースト3に入るほど鈍足でした。

で、速く走ると何が良いかというと、早く目的地に着けるわけですね。まあ、学校の駆けっこなら目的は特に無いですが、飛脚の目的は「速く脚を回すこと」ではなく「速く目的地に着くこと」です。

さて、考えてみましょう、運動オンチの私が飛脚より早く目的地に着くには、どうすれば良いのか?

答えは、「似顔絵を描いてあげるので自転車を貸してほしいと頼む」ですね。こんな手段もあるのです。

確認作業ができない

さて、会社で仕事をしていると、自分の「できないこと」「苦手なこと」が目につきます。で、私はどうも確認作業が苦手です。「確認して、完璧にしなきゃ」という「心配マインド」が発動しないのです。

で、ここで「次からは“ちゃんと”確認しよう」というのでは、進歩はありません。「ちゃんと」などの曖昧な・精神的な・記憶上の対策ではいけません。具体的な・形にまとめた「ツール」を作らなければいけない。

われわれ人間には、一人ひとり違う性質というものがあります。それを後天的に、しかも22歳とかになってから矯正するのは、無理です。無理。刷り込みも自己啓発も洗脳も、すぐ解けます。性質は変えられないし、短所は裏返せば長所なので変える必要もない。

人間の個人の能力には限界があります。それを人類はどう克服してきたか?答えは2つ、「道具(ツール)」か「仲間」です。それで、仕事に支障が出ているとき、自分用にすぐ用意できるのは「ツール」なのです。

得意分野で道具を作る

道具を作るのですが、ここで自分の得意なこと(長所)を活かしたツールを作ると、「短所を長所で補った」ことになります。短所を矯正するのではなく、長所を活かすことで短所が隠れる訳です。

例えば私の場合は、図やイラストやデザインを作るのが得意なので、「確認作業のやり方」を分かりやすく簡潔にまとめたシートを作ります。「書いてあるとおりにやればいい」というレベルにします。長所が作った自転車に短所をのっけて、漕がせたらいいわけです。短所の足が速くなるように訓練したって、人並み以下にしかなりません。