基本的に私はメタラーなのだが、ヘヴィメタル以外にも好きなジャンルはある。逆にメタルであっても、曲の威力(私調べ)には当然、差がある。「私を打ちのめすポイント」はジャンルを隔ててあることが分かってきたので、それについてまとめてみる。
「打ちのめす」とは、名曲・普遍的にいい曲というよりも、個人の感性にブッ刺さってしまうというニュアンスだ。もちろん、普遍的にいい曲かつ、打ちのめされるという場合も多い。
最初に言ってしまうと、私は以下の要素をすべて併せもつ音楽に打ちのめされやすい。
- 速い曲調(おおよそBPM150↑)
- テクニカル、複雑、演奏難度が高そう
- 短調、ネガティブな雰囲気、夜っぽい・悪っぽい空気感
- 明るい要素も派手に入っている
4番目の「基本暗いけど、なんか異常に明るいパートがある」が肝な気がしている。
楽器演奏の経験はほとんどなく、音楽理論も意図的に学ばないようにしている(※)ので、これらの要素が学問的に何を指すのか、詳しいことはわからない。素人の書き方ではあるが、上記の4つが全部揃っているとかなり威力が高い。
※意図的に学ばない理由は、音楽に一生わけがわからないまま圧倒されていたいのと、理論で理解してしまうと「音楽を元ネタにして絵を描く」に支障が出そうだから。
↓とりあえず脳死でこれを貼ってと……
なんて悪っぽいんだ、なんて物悲しいんだ、そして、なんで明るいんだ?!
ユニゾンのキーボードの明るさはもはや不気味で、ブラックジョークで笑いすぎて頭がおかしくなりそうな時の、恐怖に似た感覚を思い出す。狂気が見えてきて、いかんいかん現世に戻らないと…そんな状態である。
音楽性は全然違うのだが、↓この曲も大好きだ。
MVの背景は草原なのだが、私はこの曲を聴くと東京の夜景しか思い浮かばない。完全に夜22時以降の首都高だと思う。群馬の山道を競走するイニシャルDではユーロビートが流れるが、このようなプログレッシブで高速なフュージョンもまた少し表情の違う「クルマをぶっぱなす感」をもつ。
上と似たような感じで、もう一曲。
冒頭がすごく有名だが、最後まで聴くとだいぶ印象は変わる。こちらはよりプログレに寄っていて知性感が強い。推理系アニメのオープニングでも違和感はない。
脳裏に浮かぶイメージは、主人公である探偵の周囲にいろいろな謎がぐるぐる回っていて、主人公が振り返ったり顎に手を当てながら考えてる感じ。やはり夜っぽい。全体的に「この難事件、一体どう解決するか…」みたいなシリアスさなので、1:53〜の明るさは「そうか!わかったぞ!」に聞こえるし、2:36~46はエレガントな解を思いつけた時の決めポーズっぽい。
↓これは一見、全然関係なさそうだが…
0:26~0:38の12秒間が大好きだ。1:48~も同様の展開があるが、おちゃらけた曲調から急にムードが180°変わるので、ひっくり返りそうになる。
コメント欄は「懐かしい」で溢れているが、私はこのゲームをやったことがない。配偶者がサルゲッチュの話を始めたので、検索して偶然タップしてみたら、突然この12秒を突きつけられて「おファ?!???!!?くぁwせdrftgyふじこlpサルゲッチュってこんな格好いいゲームなんか?!??!?」と大混乱を起こして配偶者に引かれてしまった。無罪。
このクールすぎる部分はスペクターという悪役のイメージだろうとのことだったので、スペクターが出てくるプレイ動画を見てみたが、小学生時代の私がプレイしてたらほぼ間違いなくジーノの次に好きなキャラになっていた。危なかった。メカクレ銀髪で逆かまぼこ目の尊大な悪役はいかんて。関係ないがコメント欄で「スペクターが初恋」と書いていた人のアイコンがNARUTOのデイダラで、後遺症が強すぎて笑ってしまった。
先にあげた2曲を少し遅くしてエレキギターをぶち込んだ感じだ。これを聴くと「高層ビルの屋上で、知能系の悪役が、マントをなびかせて腕組みしている姿。足元には摩天楼が広がり、あまり星の見えない夜空には大きい月が浮かぶ」という映像が脳裏に投影される。このビジュアルは一体どこが出処なのかわからないが、私の中にある「かっこよさを凝縮した概念」のうちの一つなんだろう。
- 速い曲調(おおよそBPM150↑)
- テクニカル、複雑、演奏難度が高そう
- 短調、ネガティブな雰囲気、夜っぽい・悪っぽい空気感
- 明るい要素も派手に入っている
上記要素のなにが良いのだろうと考えたが、ひょっとすると、私自身の心のありようや思考方法に似ているのかもしれないと思った。
色々な人に「落ち着いてますね」とか「話していると冷静になってくる」と言ってもらえるので、外からは見えにくいのだと思われるが、ぬぼーっとしてるように見えて、私の脳内は半分パニックぐらいの速度で動いていることがある。全方向に全速力で向かって情報をかき集めて計算し、答えを言うことがある。自分でも全部認識できないぐらい、大量の情報がぐちゃぐちゃでテンコ盛りになって、でもそれらを上から眺めて直観で暫定的な答えを言う。
あるいは、街中で大量の人や音、光などの情報が常に交差する新宿や渋谷などに行くと、一瞬パニックを起こしそうになる。あまりにも多すぎる情報量に圧倒されてしまうのだが、なんとか自我につかまってやり過ごす。
「複雑で速い曲」はこれらの感覚になんとなく似ている気がして、勝手に「あー、なんか気持ちわかるよ」となる。私なんかに分かられたらたまったもんではないとは思うが。
後者2つについても心当たりがある。私は基本的にインキャでオタクで“哲学クン”の常時メンヘラ予備軍なのだが、同時に何かに対する希望を捨てていない、かなり純粋なところがある、と親友や配偶者に言われるのだ。
「人類に期待などできない」と強く思いながらも、同時に「きっと素晴らしい人間もいる」と思っているし、「遺伝子は欠陥品で醜い」と思いながら「淘汰圧の結果として現れた構造の美しさよ!」と感じているのだ。自分の中に完全に矛盾が起こりまくっているのだが、それを保ち続けている。まぁ人間とは同時に矛盾した感情を持つものだから、別におかしくはないのだが。
何が言いたいのかというと、先ほどの「やっぱりサルゲッチュ」のスペクター部分っぽい曲があったら教えてくださいということです。ピアノ・ベース・ギター・打楽器の編成のフュージョンをあたりましたが、なかなか見つけられず。今のところさっき挙げたピアノジャックの残月が一番雰囲気近いですが、ベースやギターもいてほしいので。