16personalitiesにおける私の自認タイプは「INTX」である。T/F軸とJ/P軸のパーセンテージはかなり微妙だが、F型と比較すると明らかにT型だと思うし、自然に出るのはT(Fの発動には努力が必要)なので3文字目はT。最後の一文字は他者と比較しても不明なので保留にしている。
今でこそ、ある程度は言い方に気を付けることができるようになったが、昔の私こそが表題の「言ってることは正しいが、言い方がまずすぎる」NT型であった。
NT型がなぜあんなヒドイ言い方になるのか、そして修正させるにはどうすればよいのか、実体験を元にした分析から導いていきたいと思う。もしかすると、NTというよりはT型全般の話かもしれない。
正しい情報に対しての悪感情は、認められない
NT型がヒドイ言い方になる理由を一言であらわすと、これである。
正確なデータや、明らかな事実などの「正しいこと(“正義”ではなく、正確・正常に成り立つの意味)」は、正しいので、受け取り側に拒否権はない。また、正しいことに対して怒りや悲しみを覚えることは、正しさの否定なのでロジック的に正しくなく、認められない。
改めて文章にするとあまりに酷いが、昔はこんな感覚だった。こんな考え方(感じ方)をしていたので、ちゃんと感情が分からなくなり、しっかり鬱病になった。断じておススメしない思考法である。
たとえ言い方が悪くて人を傷つけるとしても、内容が正しいならば、感情は無視して正しさを認めなければならない。これは他者に対してだけでなく、自分自身が「ヒドイ言い方」をされた時にも適用されていた。正しいのだから、反論の余地はない、以上である。
ただNT型であっても、酷い言い方をされれば当然、感情的な拒否感は出る。そういう場合は「正しくないのでは?」という疑いが強くなる形で、感情が現れる。正しくないなら認める必要がないからだ。日常的に相手の論理の穴を探すようになるので、ディベートは強くなる。
要するに、他人から何か言われた時に受け入れるかどうかの基準が「正しいか否か」だけなのである。言い方とか状況・空気、相手の立場などは無視して、正しければ受け入れる・間違いなら聞き入れない、という二者択一であった。
感情を押し殺している・我慢しているという感じではなく、自然に当たり前のこととして、「感情の反応は、ロジックや事実よりも低級である(から、上級である真実を優先すべき)」という感覚である。
言い方を修正させるには?
さて、こんな厄介なNT型に「言い方に気を付ける」よう示すとしたら、どんな方法が効果的だろうか?
効かない方法①:感情に訴える
これは分かりやすいが「私は悲しい」とか「あなたの言い方で傷ついた」などと訴えても、効果は薄いだろう。彼らの中では感情は正しさよりも価値が低いため「で、分かったの?理解してから悲しんで。」となるだけである。
感情に訴えかけた時点で、「気持ちを伝える時は、アイ・メッセージ」などの工夫は全く意味がなくなる。おそらくNT型はその手の「作戦」は知識として既に知っており、安易にそれを繰り出せば「そんな浅いテクニックで懐柔できると思ってるのか?」と、バカにされたように感じるだろう。
効かない方法②:メリットを訴求する
「言い方を気を付ければ、もっと成果が出る・ステキになる」などの抽象的なメリット訴求も微妙だ。我々には、そのステキさとは何なのかがよく分からない。具体的にどう「気をつける」のかも、目的が抽象的なので推論できず、分からない。ゆえに、成果が出るイメージも湧かないのである。
また、普段から感情の重要性を理解しているF型からすれば「具体的にどう『気をつける』のか説明すること」は逆に難しいと思う。あまりにも当然のこととして無意識にやっているからだ。
感情配慮は、人間システムに不可欠
私が思うに、感情やメリットなどの訴求よりも「感情配慮は、人間システムの作動に不可欠なパーツ」という認識にさせることが、彼らを動かせる手段ではないかと思う。「システム的に不可欠なもの」であって「倫理的に正しい」「正義」ではないのがミソだ。
おそらくこれをF型が読むと「なんで我々がそんな“間違った感覚”に合わせてやらないといけないのか」と感じるだろう。それについてはすまないと思うが、結果的に我々からクッション言葉や婉曲表現が出さえすれば問題ないはずなので、子供を育てるような目で見てほしい。
実際のところ、私はこれに気づいてから感情配慮を「合理的手段・デメリット減少行動」として練習し続け、今となっては「ほぼ毎回実行」できるようになった。我々は正しさが第一なせいで感情配慮に支障が出ているのだが、正しさ(ロジック)を感情領域にまで拡張させれば、あとは勝手に実行するということだ。
具体的な言い方としては「その言い方だとやる気にならないので、やる気になるように言い方を工夫して」とか「そういう言い方だと心が傷付いて、がっくりして頑張れなくなるので、クッション言葉を置いてくれ」などだろうか。「私に何かしてほしいのであれば、それをしたくなるように・無駄に傷付かないように配慮するのが当然」という構図になる。逆に、たまたま「配慮された、よい言い方」をした際に「今の言い方は良いね、ちゃんとやる気が出る」などと言うのも効果があるだろう。
要するに、感情配慮は遊びや甘えではなく、目的達成のために不可欠な行動・人間をしっかり動作させるために必要なものであると認識させるのだ。感情を活用することで初めてシステムが完成(目的を達成)できるとわかれば、合理的手段の1カードとして認識し、勝手に推論・適応し始める。しかもこのカードは、デュエマでいうとエナジーライトとかフェアリーライフ(古いかも)ぐらい「デッキに不可欠」なので、使い始めてすぐに「あれっ!このカードめちゃくちゃ便利だなあ!」となる。そうなれば後は慣れの問題である。
とはいえ、同じNT型でも育ってきた環境や仕事内容でかなり行動が変わってくる。たとえば女社会に揉まれた女性NTは典型例だろう。あるいは、データサイエンティストよりも医師の方が感情配慮が仕事上重要である。
NTでも最低限の感情配慮ができているなら、そこを無理に伸ばそうとしない方が良いと思う。感情配慮を伸ばしすぎると、鋭利な思考が減退してしまうからだ。