【ピクミン4】初見無犠牲クリア感想/レビュー

ようやくピクミン4をクリアしたので、感想やレビューを書きます。先に書いておくと、筆者はピクミンシリーズ本編の過去3作はプレイ済みですが、ピクミン4はあまり好きではなかったです。よって、「ピクミン4は傑作だぜ!」と感じている方は「3 不満点・好きでないところ」以降は読まないことをおすすめします。

体験版は事前にクリアして、製品版も予約してちゃんと発売日に届いたものの、今更あつ森にハマっていたり大ボリュームだったりでクリアまで相当時間がかかりました。

以下ネタバレあり。


クリア時の状況と、ゆるい縛り内容

↑生物図鑑が1つだけ埋まっていない。なんだろう?

クリア(オッチン治療完了)時の状況

  • 全ステージ探索率100%
  • 葉っぱ人全員治療済
  • 死んだ数:0匹
  • オリマー遭難期はやっていない
  • サブミッションは少々取り残しあり
  • ダンドリバトル、ダンドリチャレンジは全プラチナ
  • 探索日数は34日
  • プレイ時間は63時間
    • Switchに記録されている時間(やり直している最中の時間を含む場合)は90時間以上
    • マップ画面を開いたままルートを考えたり、全く別のことをしたりもしたので、かなり長く計測されているはず

ゆるい縛り内容

  • 「それなりに効率よく無犠牲クリア」を目指してプレイ
    • 序盤はゆったりやっていたが、一番星のかくれ家から本腰でやり始めた
  • 初見プレイで、攻略サイトや他人のプレイ動画は見ない
    • この縛りのせいで「王の穴はルーイの段取りバトルの翌日解放される」を知らなかったため、最終日は王の穴だけ行く羽目に
  • 「道具頼み」はせず、基本ピクミンとオッチンで戦闘
    • 面倒な場合、爆弾岩or激辛スプレーだけ1〜2つ使用可
  • ダンドリバトル、ダンドリチャレンジではディンゴ未使用
  • ヒカリピクミンは呼ばない
    • 序盤で試しに5匹呼んでみた以外は、洞窟でも夜でも呼んでいない
  • 巻き戻し機能は使用制限なし

評価点・好きなところ

オッチンが可愛い

まさに “イッヌ” という感じの、元気で忠実でデッカい犬。ゲームが始まってすぐに、ワンワン、ヘッヘッとやっている無邪気な姿には心を鷲掴みにされた。ストーリーが進むと覚える「丸呑み」で頬をハムスターみたいに膨らませながらノコノコ歩く姿も微笑ましい。「おっ!がんばってるな!」と思う。私個人の趣味として、チワワやマルチーズのような愛玩用に可愛くした種類よりも、古来からのイヌに近い柴犬やハスキー犬が好きなのだが、オッチンは後者っぽい、もっさりした存在感がある。オッチンが可愛いのでクリアできたと言っても過言ではなかろう。

ラスボス戦が熱く、歯応えもある

ラスボスの曲だけ異常にかっこいいのと、小さめのオッチン&ピクミンが自身のサイズをはるかに上回る巨大犬に対峙する勇姿と、ここでだけラッセルやバーナードが饒舌になるところが熱かった。戦闘自体もアクション性が高く緊迫感もあって、なかなか楽しかった。しかしここでも紫の性能が抜きん出ていて「やっぱコイツ、ズルよなあ」とは思った。

オリマー・ルーイの文章をたくさん読める

オリマー・ルーイを救出するまでは、原生生物やお宝の解説は別のキャラがしてくれるのだが、救出すると彼らの解説が追加される。オリマーのテキストは、ボリュームもさることながら内容のレベルも高すぎて笑ってしまった。特に化学や生物学についての知見が強すぎて、なんで運送会社にいるんですか?と突っ込まざるを得ない。

ルーイのコメントも相変わらず面白い。個人的にはヌシガエルを見たとき、大きいスイートポテトみたいで美味しそうだと思ったのだが、実際はまずいらしく少しがっかりした。

原生生物担当のダルメッシュの解説も、専門的ではないが動物好きが伝わって良い。知識重視のオリマーとは反対に、可愛いとか愛がどうとか感情的なことばかり書かれているが、これはこれで比較的動物好きが集まるであろうピクミンプレイヤーに近い視点で共感を持てる。

不満点・好きでないところ

各ステージの風景およびBGMの印象が薄い

初代、2、3は各ステージごとに季節や風景が大きく変わり、「新しい場所に来た!」という満足感や、綺麗な景色の中を歩いているだけで楽しいといった感覚が得られた。特に初代は各ステージのBGMも非常に象徴的で、今でも突然「樹海のヘソ」の曲が脳内再生されたりする。

旧作のステージと比べると、4は田舎にある一軒家の大きい庭の中を移動してるんじゃないか?というぐらい変化がない(そういう設定なのかなと思ったが、多分違う)。解像度的な意味でのグラフィックはこれまで通り非常に良いのだが、フィールドを歩いたり眺めたりしてもワクワクしないのだ。「レスキューキャンプ」「ひだまりの庭」「花ふぶきの楽園」「巨人のかまど」はほぼ違いが感じられず、後述する人工物の多さも悪い方向に作用して、なかなか綺麗な景色に出会えない。屋内ステージ「一番星のかくれ家」も、趣向が大きく変わった感はあったのだが、ふつうの家の中なので美しい景色とは言えない。最後のステージ「追憶の原生林」も、なんでこんな不気味な雰囲気のステージを最後に配置したのか疑問が拭えない…「とこなぎの浜辺」は唯一の良心といえる。

ステージBGMに関しても、過去作とは違いメロディがほとんどない環境音楽風になってしまっており残念だった。ボスごとの専用戦闘曲もあったようだが、プレイ中はほとんど気付かないくらい印象が薄かった。ダマグモインフェルノのフロアを沸かす曲が面白かったのと、ラスボスの曲だけハードロック調でやたらカッコよかった事だけを覚えている。

(ゲーム都合の)人工的なオブジェクトが多い

人工っぽいものなら過去作においても、石の壁や木の橋などの建造物は初代から出ているし、3ではガラス壁や金属箱(?)のシーソーも出てきた。背景にも人工物が描写されることはあった。とはいえ、それらは比喩表現なのだと理解できる程度にデフォルメされていたり、背景に馴染ませるためのグランジ(汚れや錆)処理がされていたりした。例えば木の橋は、実際に自然風景であんなふうに木の枝が積まれていることはないのだが、「周囲から木の枝を拾い集めて、ここに集める」ということをゲーム内で示すために強調して表現されたものだとわかる。しかし今作の人工物はそういった比喩表現ではなく、人間がわざわざ新品を設置したような異質さで配置されている。

特に「一番星のかくれ家」で顕著で、プレイヤーが上段に飛ぶための送風機、空中で往復移動するパネル、ボタンスイッチなど、「はい、ここに小人用の道を用意してあるので、通ってくださいね」と言わんばかりの人工物が多数設置されている。このステージは人間の家がモデルで、リアルな家財道具が描かれているのだが、そのリアルさによって、かえって「小人用設備」とのチグハグ感が強まり、見た目はリアルなのに(だからこそ)機能的に不自然という気持ち悪さが生まれてしまっている。

自然が多いステージでも、4の地下洞窟には人工物がとても多い。まず入り口からして「小人用のマンホール」だし(2の洞窟入り口は、アリの巣のように土が盛り上がっている)、水辺の多い洞窟に至っては、背景にプールか温泉のような壁がはっきり描かれている。極め付けは、ボス生物のいるエリアに数字が表示された箱型の機械があり、表示された数だけ原生生物を倒せば壁が取り除かれる、という仕組み。私は謎の星を探索しているのではなく、誰かに用意された箱庭を歩かされている、と感じざるを得ないのだ。

(補足)この項目については、シリーズでの一貫性がなくなったのでダメというわけではなく、単なる私の好みの話になるだろう。なぜなら4だけ世界線が違うと思われるからだ。時系列が繋がっているであろう初代〜3での人工物描写は「ここは多分、人類が滅びた後の地球なんだ!」と感じさせるものだった。一方、今作の時系列について私は「初代でドルフィン号に当たった隕石の軌道が少し違った場合の世界線」だと考えている。つまり「4では、初代〜3を繋ぐ世界線とは墜落場所がかなり異なり、そこではまだ人類は絶滅していない」と理解することができるのだ。

味方メンバーに安全地帯から指示される

原生生物にピクミンが捕捉されたり、操作可能な障害物を見つけたりすると、安全なレスキューキャンプにいる味方隊員がいちいち画面に表示されて「あぶない!ピクミンを呼び戻して」「何とかして操作できないか」などと煽ってくるヒントを言ってくる。

ピクミンというゲームの面白さは、敵の動きや障害物の仕組みを観察し、自分で考え、いろいろ試してみて、「あっ!そうか!」と理解する、この一連の体験をベースにしていると思う。効率を追求したり無犠牲を目指すハードなプレイスタイルの場合も、「こうすれば効率が良かったのか!」と自分の行動を改善する面白みがあり、それが積み重なることで結果的に自分に課すハードルが勝手に上がっていくのだ。メンバーのヒントが表示されることで、その「自分で考えて分かった!」という体験が削がれるように感じた。前述の「誰かに用意された箱庭を歩かされている感じ」とも合わさって、「私は何のためにこんなことをさせられているのだろう?もう放っておいてほしい、一人で誰にも見張られず、自由に自然の中を歩きたい」と、初代ピクミン大好き勢としてはがっくりきてしまった。

おそらく幼稚園児や小学校低学年がプレイするのを考慮してヒントを出しているのだろうが、中学生以上にもなれば「自分で考えたかったのに」「言われなくてもやってるよ」とがっかりする割合も増えてくるだろう。このヒント表示がON/OFFできれば、子供にも大人にも楽しく感じられるゲームになったのではと思う。

また、これはあまり同意が得られないとは思うが、新人隊員である主人公が身を挺して危険地帯に乗り込んでいるというのに、先輩隊員たちが安全なレスキューキャンプから遠隔で色々言ってくるのは、腹立たしく情けない。装備品を開発してくれるラッセル、葉っぱ人を治療するパピヨン、操縦士でほぼ何も指図してこないバーナードは、まあいいかと思える。シェパードはうるさいがオッチンの訓練士であり隊の精神的支柱でもあるのでギリギリ許せる。しかしコリーとディンゴは何の貢献をしているのかよく分からない。ピクミン1匹分くらいは役に立つかもしれないから、お前らも戦いに降りてこいと言いたい。

地上に3種類のピクミンしか出せない

ピクミン2、3をやったことがある人はかなり残念に感じるだろう点。この制限によって、後半以降は役割を兼任できる紫ピクミン(戦闘と属性障害物含むギミック解除が素早くでき、少数運搬もできる)と羽ピクミン(戦闘と運搬が高速で、高所対応も可)が重宝され、逆に赤黄青は絶対に必要なエリアがない限り出されることがない。特に赤ピクミンは紫が加入してからは出番がない(一応ラスボス戦で少し見せ場があるのだが…)。

過去作では5種類をどこでどう使うか計算して「40・35・15・5・5」みたいな細かい振り分けを考えるのも楽しかったし、「20匹ずつ」の組み合わせを変えれば、違う曲を歌うのでは?と予想もしていた。具体的にいうと、「赤黄青岩羽」を20ずつ出せばピクミン3のテーマソングを歌い、「赤黄青紫白」なら2の曲を歌うのではないか、などと期待していたので、この3色制限はかなり残念だった。

ピクミンの隊列が一糸乱れなさすぎる

細かいところだが、大勢のピクミンを連れてローアングルで歩いてみると、ピクミンたちの手足が動くタイミングが全員同じであり、隊列も全く乱れない。初代からプレイしてきた身としては、ピクミンは有機的で気まぐれな存在と感じているので、この一糸乱れぬ行進には強い違和感があった。

賛否両論と思われるところ

オッチンが強すぎる

ボスキャラクターや一部の敵を除き、オッチンに岩ピクミンを40匹ほど乗せて突進すれば大体瞬殺できてしまう。効かない敵もそれなりにはいるのと、初心者救済的な意味でも悪くはないと思うが、強すぎる感もあった。まぁ上級者はオッチンのスキルを外せば丁度いいのだろう。

オートセーブによるデータ管理の必要性

「前の日付に戻る機能」が撤廃されており、オートセーブと「数分前に戻る機能」が実装されたので、短日数クリアなどで試行錯誤したい場合には日を跨ぐ毎にセーブデータを複製し、勝手に上書きされないよう管理する必要がある。ロードが長いので面倒なのと、頻繁にセーブされるのでヒヤヒヤする。

「数分前に戻る機能」は、便利そうに見えて実用性はかなり低い。指定した時間にいた場所ではなく、拠点に戻されてしまうので、ある程度の効率やスピードを求める場合は「到着直後・洞窟から出た直後・フロアの最初に戻る」しか使わないだろう。

自動照準&最低匹数投げでミスりにくい反面、意図した操作ができない

今作ではオート照準機能(エイム補助)がついており、あまり厳密に狙わなくても勝手に標的に当たるので、照準対象が1つだけの場合は結構楽ができる。また、運搬物にピクミンを連射すると、運搬に必要な最低匹数で連射がストップする。数えなくても必要な数投げられるので、こちらも楽になったと言える。

ただしこれらの設定が解除できないのが問題。オート照準については対象が複数ある場合、どうでもいい対象でも勝手に照準されてしまう。当ててほしい対象になかなか照準が移動できずタイムロスで犠牲が出たり、ロックを外すために照準対象を画面外まで出すなどの無駄な動きが必要になったりする。

運搬物への投擲も、運搬速度を上げるためだけでなく手持ち整理や、運ばせておくことで拠点に移動させたいピクミンがいるなどで余分に投げたい場合も多いので、毎度連射が止まって数秒の待ちが発生→再照準→本来投げたかった匹数から投擲済みの匹数を引いた分を投げる、とやるのは結構イライラする。どちらについても、過去作経験者にとっては正直やりづらいのでON/OFFがあれば良かった。

大ボリューム(ストーリーが長い)?

一応、オリマーを救助したら一段階目のクリアになるのだが、その後のムービーを見たら到底「クリアした」とは思えない。最終クリアのオッチン治療まで行って初めて「クリアした感」が出たのだが、前述の通り記録上は60時間以上かかった。もっと犠牲や効率を許容して適当にやったり、オッチン治療だけを目標にしてお宝は無視すれば早くなったとは思う。しかし、オッチン治療のために引き返した時点で正直「長い…まだあるのか…」と苦しみを感じた。

「?」が付いているのは、洞窟が単調だったり・お宝に使い回しが多かったり・夜の探索に一日消費したりと、無駄に時間がかかった感が強くて苦痛だっただけで、物語自体が(FFのように)複雑で長いわけではないから。

ひとこと

なんだか今作に対しては絶賛の評価ばかりで、そういうインターネットの流れ(売るための記事ばっかり&SNSでは肯定意見しか言ってはいけない風潮)とはいえ、「おまえら本当か?」と感じながらこの記事を書いた。ちなみにAmazonレビューの星2あたりには私と似た感覚を持つニキもいて、少し安心した。

ピクミンシリーズを初めてプレイする人にはすごく面白いのだろうが、ピクミン過去作を全部やっている人とか、元々シューティングやFPSをやりこんでいるゲーム上級者など、操作が上手になればなるほど、微妙に制限されて自由が効かない感じに嫌悪を覚えるのではと思う。

ちなみに今作をやっている間、家族がピクミンシリーズに興味を持ち始めたので1と2をやらせてみた。傍目だが改めて見ると、ほんとうに初代ピクミンは素晴らしいゲームだったんだなと感動したね。マジでGCの初発組にして最高傑作、いや下手したらゲーム史でも指折りの名作だよ。

そしてこの記事を書いていく中で、私はゲームに対して想像以上に、ビジュアルの良さや演出効果、BGMのカッコよさを求めていたのだなあ…と実感した。まあ分野は違えどビジュアルを仕事(デザイン、イラスト)にしているのだから、そのへんは勝手に気になってしまうのだろう。ゲーム以外だと漫画も、意識せずとも「絵が上手い作品」を好きになっているしなあ。映画はこれまであまり見てこなかったのだが、「名演出」が山ほどあるだろうから、いろいろ見てみるのも良いかもしれない。


以下、おまけ。過去作のネタバレあり。

おまけ

筆者のピクミン歴

ピクミン(初代・GC)

  • 初めてプレイしたのは確か小5〜6の時。1周目はクリアできなかったような、できたような、記憶が曖昧である。
  • 中学生で再燃し、最速日数・犠牲ゼロ・パーツ全回収を両立してのクリアを目指した。当時出回っていた最速記録は確か9日で、チャートを見ながら最終日までは行けたのだが、ダイオウデメマダラを倒すのが下手で、結局クリアできたかどうか覚えていない。

ピクミン2(GC)

  • この作品も中学の時に最速犠牲ゼロ全回収クリアを目指した。当時の最速記録は8日で、これは達成できた。
  • チャレンジモードにものめり込み、全てのステージを犠牲ゼロでクリアした。このチャレンジモードで最後に残った(苦労した)のがダマグモキャノン戦だったので、一番好きな原生生物はダマグモキャノンです。

ピクミン3 デラックス(Switch)

  • Wii Uの原作は未プレイ。
  • ピクミン4の発売決定後、内容を追うために急いでやった。
  • 多少の犠牲は許容しつつ、それなりの効率で適当にクリアした。チャレンジモードも全部はクリアしていない。

※ピクミンブルーム、Heyピクミンなどの外伝系はやってません。

ピクミンシリーズで好きな作品ランキング

第1位 ピクミン

一作目ですでにゲームシステムや世界観が出来上がっており、初代はまったく過不足のない「完成品」そのまま。操作性(≒ピクミンAI)の悪さは気になるものの、ストーリーやBGM・SE、ステージデザイン、演出には非の打ち所がない!私は初代ピクミンの、言語説明のない約1分のオープニングは芸術だと思っている!!ドルフィン号から「ピッ…ピッ…」と機械的なSEが出ていて、それがステージのBGMや朝の光と尋常でなくマッチしているのも大好きだ!!!一日の終わりにオリマーただ1人でピクミンを引き連れ、解散の笛を吹くのは最高にクールだ!!!!カッコよすぎて涙が出るよこりゃあ!!!!!…あと、宇宙船パーツの名称がカッコよく、収集モチベーションが上がりやすいのも良い仕掛けだと思う。

第2位 ピクミン3

デラックス版の順位。Wii Uの原作はやっていないのだが、聞いたところサイドストーリーが無かったり有料追加コンテンツがあったりで、デラックスに比べるとかなりボリューム不足らしい。しかし順位にしたら2位なのは変わらない気がする。

3で一番好きなのはボス生物の個性が強いところ。フィールドを派手に使った巨大生物との戦闘はかなり緊張感があったし、視覚的にも非常に満足がいくものだった。特にアメニュウドウとの1マップ丸ごと使った追いかけっこは斬新だったし、彼の寂しそうな雰囲気もいい。全体として、気持ち悪いけど同時に愛嬌も感じさせるデザインが素晴らしい。主人公3人も全員かわいい。

難易度や雰囲気は1、2と比べると随分落ち着いており、私としては3がピクミンシリーズのダークさ・不気味さと可愛さ・とっつきやすさを最もバランスよく両立させていると思う。その上で、各ステージのビジュアルは美しく、高さや流れ、3人連携を活かした複雑なマップ構成も相まって、見応えを感じられる。私は暗くて見栄えの悪い洞窟は好きでないのだろう。

第3位 ピクミン2

一作目がウケたのはダークさや高難易度が主因だと予想した開発陣による悪ふざけ、としか思えない作品。下ネタお宝解説文や下ネタ生物、殺戮機械生物、借金ネタなど、黒歴史が多い(まあダマグモキャノン好きだけど)。しかし、過剰な悪ふざけとアナログ放送時代のGC画面、ドルフィン初号機の人格(ロボ格?)が妙に噛み合って、なんともシュールなバカゲーになっている。ゲームバランスは紫ピクミンが強すぎる反面、サクレショイグモが爆弾岩を持って降ってくる、落石が多発など、難易度というよりは面倒な殺意がかなり高いので、両極端な感じ。

好きな部分も嫌いな部分もあるが、「もう一回最速犠牲ゼロクリアをやれ」と言われたら「少し面倒だけど、まあいいか…」となるくらいには面白いゲーム。

第4位 ピクミン4

この記事で書いた通り。ものすごく期待していただけに落胆が大きかった。もしピクミン5が出たら、予約はしないと思う。とはいえ、私の感想は時代と合っていない感覚に基づいていると思うので、任天堂にはこのまま新しい試みをどんどんやってもらい、今まで通り売り上げを伸ばしていって、日本を代表する企業であり続けてほしい。