私は感覚過敏で、過敏だなと思う順に並べると「嗅覚≧聴覚>視覚=三半規管>触覚=味覚」である。最もマシな触覚や味覚も、平均と比べたらそこそこ鋭敏だと思われる。
聴覚過敏は外出時に疲れやすいのが最大の影響だ。車のクラクションや幼児の叫び声にビックリしすぎて、数分間は内心パニックのようになる。そしてザワザワしたところに長時間居ると、頭がグワングワンして、頭の中か耳の奥に何かがパンパンに詰まったような感じがしてしまう。ただ、数年前にLoop Experienceという神商品が誕生したことにより、幾分か対処がしやすくなった。
視覚過敏は、太陽が眩しいのはサングラスをかければよい。細いストライプの服は目がチカチカして気持ち悪くなるが、買わなければいい。ライブ会場のビカビカ光だけは耐えるしかないが、あれは一時的なので何とかなっている。
三半規管は19ぐらいで偏頭痛持ちになった影響で悪化したもので、嗅覚過敏と合わさって非常に乗り物酔いしやすい。身体を一回転させると気持ち悪くなるので、一回転したら、すぐ反対方向に回さなければならない。まぁこれは車酔い以外、そんなに生活への影響はない。
触覚は洋服の素材や手触りを確認すれば問題を回避できる。タグは切れば良い。触覚については子供の時のほうが酷く、着替えで洋服の常温が体温にまとわりつく感じが毎朝苦痛だった。今はそこまででもなくなったが、靴下は履かないで良いに越したことはない。
味覚については嫌いな食べ物が結構多い方で、猫舌でもある。子供の頃は食べ物の匂いを嗅いでから食べていて、母親や祖母に嫌がられていたが、あれは今思えば味を匂いから予測することで安心していたのだろう。ある程度大きくなって、多くの食べ物の味覚が頭に入り、匂いと味の関係性を覚えてからは基本的に嗅がなくなった。しかし得体の知れない初めての食べ物に対しては、今でもつい匂いを嗅いでしまう。
さて、問題は嗅覚である。汗臭さやゴミ・下水道の臭いに誰より早く気付くのはもちろん、公共交通機関特有の臭いや、他人のシャンプー・整髪料・柔軟剤も厳しいものがある。乗用車の臭いとタバコの臭いがセットになると条件反射で酔い始めるし、LUSHは息を止めながら通過するし、電車で隣に人が座る時は、性別問わず「嗅覚の覚悟」をしている。無臭の人(助かる)の確率は、地域にもよるが東京だと30%くらいである。
対処法としてよく言われるのはマスクだが、マスク自体の臭いと、マスクがまとわりつく感覚がきつい。シンプルに息苦しいし、マスクの内側が呼気で結露するのも気持ち悪いし、ニキビもできやすくなる。混雑した公共交通機関や新宿・渋谷など「空間全体が、マスクがあれば回避できる臭さ」の場合や「くしゃみ・咳する人がいる」状況以外は、マスクをつけているメリットのほうが少なくなる。コロナの時はどこもかしこも換気しまくりで快適度が上がっていたのが懐かしい。
視覚や聴覚を道具で制限することで、嗅覚が更に鋭くなるのも困った現象だ。耳や目と違って、鼻を閉じたり呼吸量を制限することはできないから難儀である。
ちなみに、コロナになった時は数ヶ月間ほぼ全く嗅覚が効かなくなったが、食べ物がおいしくない以外は正直快適だった。このコロナ後遺症の仕組みを応用して薬にできたりはしないのだろうかと思うが、嗅覚過敏という命に別状のないことのために、大量の実験用動物が消費されるのは嫌だなあとも思う。
