AIが破壊するのは「クソなインターネット」かもしれない

夫「あの話、もう知ってると思うんだけど、うーん、ぼくから話すべきなのかどうか…」

私「エッ何の話?!今日はニュースは見なかったからな。アキネーターするか。高市さんですか?自衛隊は関係ありますか?」

夫「いや関係ない(汗)う〜ん大丈夫かな…もじもじ」

私「???」

夫「隠してても仕方ない。新しいAIがね…」

私「あー、あれかw 下手っぴは代替されるかもしれないが、上手い人はまだ耐えれる」

私「漫画のキャラが作者より賢くならないのと同じで、生成する人間のセンスがAI以下ならば、AIのレベルが上限になる」

私「私はAIがものすごい進化をする可能性は常に想定している。そしてAIで大きな変化が起きても、私はいつも人生を前向きに捉え、過度に落ち込むことはないので、安心したまえ!」


ここ数日で生成AIがまた飛躍的な進化を遂げた。日本語の漫画が低クオリティとはいえ生成できたり、Webサイトの叩き台が生成できたりするらしい。

私の仕事が減っていく方向性なのは間違い無いだろうが、それはどちらかと言えば「小さな問題」である。

大発展を遂げたAIが壊しうる大きなものとは「インターネットがある文化」そのものだ。

生成画像のクオリティが上がっていくにつれ、人間は実際の写真と生成物の区別がつかなくなる。あと1歩で、プロでも見分けのつかないリアル画像が出てくるだろう(現状のイラストの場合、素人にはわからないが、絵を勉強した人ならよく見れば見抜けることが多い)。

そうなればAI問題は「クリエイターのお気持ちだけの問題」ではなくなる。絵の資料だけでなく、子供たちの勉強や資格勉強や学術研究にも弊害があるし、2025年以降の論文や書籍は相対的にリスクが高いので参照されにくくなる。メーカーやエネルギー業などの専門知識が間違った形で出力されれば、大事故にも繋がりかねない。間違った民間医療を行う者が増えるだけでなく、医療事故も増えるかもしれない。当然、詐欺などの犯罪にも活用されるし、証拠の捏造もしやすくなるから、検察官や弁護士など国家の根幹を支える人々にも影響が出る。これは明らかに「社会問題」である。

もはや「インターネット上の情報は信頼できない」「インターネットを見るとバカになる」という風潮になってもおかしくない。その証左として、Googleは現在「AIによって出力された画像かどうか」を判別するシステムに力を入れているらしい。インターネットそのものが社会から信頼を失うこと、それはGoogleの終焉を意味するのだ。まるで自分の尻尾を追いかける犬のようだが、まぁ私としては棚ぼたな話だ。

クリエイター以外のあらゆる職業で弊害が出てくるので、立場が弱いクリエイターの「お気持ち」ではなく、大学教授や医師、裁判官などの社会的威信が高いグループが問題提起をしてくれる確率が上がる。そうなれば法律で規制されるのは時間の問題である。メタデータなどに入れても高齢者は分からないから、生成画像自体に「AIマーク」を入れるのが義務化されるのではないか。

AIによってインターネット自体が死ぬか、法律によってAIが規制されインターネットが生き残るか、その分岐点に来ている。


さて、これまでの歴史を振り返ると、ユニクロなど大規模生産の服飾メーカーが出てきても、小さなメーカーが全滅したわけではない。去っていったのは、金儲けの手段としてアパレルが好きだった者であり、残っているのは本当の意味で服や縫製が好きな者なのだろう。

そう考えると、WebデザイナーとかITエンジニアなどの「初心者からフリーランスに!」的な煽りで数が爆増している職業について「リモートワークできるから」「給料がいいから」などの理由で就いた者は去っていくが、本当にデザインやプログラミングが好きな者は残る。全体のパイが減っても、それを食べる人間が減れば、食い扶持は保てるかもしれない。そしてもし本当に淘汰されて仕事にならなくなっても、彼らは趣味で続ける。同様に、もし金にまみれたクソなインターネットが終わっても、インターネット自体が本当に好きな人は残るので、かつての時代に似たクソじゃないインターネットは生き続ける。

「価値」という言葉がビジネス文脈で使われすぎて、デザインそのものの美的価値とか、プログラミングの思考そのものの楽しさの価値とか、そういう精神的な価値がみんなちゃんと見えているのか分からなくなる。効率化のために属人性をなくして精神的価値をなくしていくのは、資本主義の発展様式そのものである。

金のため、仕事のためと効率化を進めるが、そもそもなんのために生きているのか?稼いだ金で映えることが本当に幸せなのか?

クソなインターネットの片翼としてのSNS(もう片方は企業サイト)が終わることで、社会がそのバカバカしさに気付く時が近づいているのだろうか?いや、きっと永遠に気付かないのだろう。